靴のかかと

あっと思い出してブーツのかかとを見てみると、
案の定、いけないことになっていた。
歩き方にくせがあるせいか、まっすぐ擦り切れないで、
かかとのゴムより上の方までくいこんで、ななめにへこんでしまっている。



なんだか近頃の靴のかかとは、
油断するとあっというまにすり減ってしまうんだから。





さっそく靴にクリームを塗って、きれいに磨く。
普段はめったに靴なんて磨かないんだけれど。



近所の修理のお店のご主人は、
靴のかかとの張り替えをお願いすると、
靴までピカピカに磨いてくれて、まるで新品みたいに仕上げてくれる。
ご主人の仕事に対する真摯な姿勢や、
靴に対する愛情みたいなものや、
「たまには手入れをしてやりなさいよ」という言葉にならない声も感じて、
ちょっと恥ずかしくなってしまうので、
私はきちんと磨いてから、修理をお願いするようになった。




靴を磨くことは、気持ちがいい。
そしてぴったりと元通りの高さのかかとになって、
靴がかえってきたときの、そのときの気持ちも。



日常の気持ちだって、同じことかもしれないな。
悲しいことや
がっかりしたことや
誰かに対して、ふと感じる距離感。
そんな小さなほころびが大きくならないうちに、
早めにてあてをしてやると、
すがすがしい気持ちで、またきちんと前を向いていけるのかもしれない。


手遅れになってしまわないうちに、
きちんとね。
by murmur-cafe | 2016-01-25 15:59 | おもうこと | Comments(0)